2008
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1.学術会議の開催

領土NGO国際フォーラム(08.10.8~10)

領土問題の特性を踏まえ、韓日中における国際的連帯の根本的な限界性に鑑み、米州・欧州など世界中の領土及び葛藤解消分野のNGO活動家や専門家らとの国際的な連帯を図るべく、2008年「領土NGO国際フォーラム」を開催した。国内外の10ヵ国からおよそ20名のNGO活動家及び専門家が参加し、東アジアにおける(領土)葛藤解消のための国際的連帯の基盤を整える成果をあげた。研究成果としては、『Conflict Resolution and Peace Building: The Role of NGOs in Historical Reconciliation and Territorial Issues』と題する英文の単行本が発刊・配布された。

ペドラ・ブランカ島(Pedra Branca)の領有権に対する国際司法裁判所(ICJ)の判決予測ワークショップ(08.2.20)

独島領有権の国際法的対応力量の強化に向けて、シンガポールとマレーシア間の「ペドラ・ブランカ島」領有権問題の判決(08.5.23)を予測するワークショップが済州島にて開かれた。同ワークショップには、国際法学会の権威ある学者及び専門家らが多く参加し、およそ2千ページに及ぶ膨大な分量の資料を検討しながら独島と関連する示唆点を提示することで、今後の独島領有権への対応能力を強化するきっかけになると思われる。

国際平和研究学会(IPRA)における領土パネルの構成・参加(08.7.15~18)

ベルギーのルベン(Leuven)にて開かれた国際平和研究学会(IPRA)の隔年世界学術大会において、財団は「Territorial Issues in Europe and East Asia:Colonialism、 War Occupation, and Conflict Resolution」を主題とする二つの「領土パネル」を構成・開催した。この場では欧州現地の学者5名と財団の参加者を含む韓国学者3名など、合わせて8編の論文が発表されており、発表の内容は英文の単行本として発刊・配布された。海外の権威ある世界学術大会において日本の侵略・植民統治による独島・東海問題の本質を浮き彫りにし、韓国に有利な国際的世論形成をリードした。特に、08年7月14日の日本文部省による中学校教科書の学習指導要領解説書における独島表記の仕方に対し、国際社会においてタイムリーに対応する成果を挙げた。

領土・領海に関する専門家学術セミナー(08.10.29)

韓国の海洋警察庁・海洋水産開発院との共催で、済州島にて領土・領海に関する専門家学術セミナーを開催した。今回の学術セミナーは2007年に次いで二回目の開催であり、財団、韓国海洋水産開発院の国際法関係者、韓国国内の国際海洋法専門家ら約80名が参加し、海洋警察庁の現場視察などを通じて実務と理論が交わる有意義な場となった。

世界碩学招請の独島問題国際学術会議(08.11.18~19)

仁荷大学と共同で「独島:歴史的認識と国際法的正義」をテーマに国際学術会議を開いた。この会議には韓国国内と日本の研究者をはじめ、中国、欧州、米国など世界中から歴史、国際法、政治分野を専門とする学者らが参加して独島問題を様々な見方から分析し、多様な解決策と今後の見通しを提示した。

東海地名と海の呼称に関する国際セミナー(08.8)

財団と社団法人東海研究会は共同で、チュニジアにて「第14回東海地名と海の呼称に関する国際セミナー」を開いた。同セミナーは、東海(East Sea)の呼称を国際的標準にする取り組みのひとつとして行われたもので、地名・表記に関する専門家らを招き東海表記の正当性を議論するとともに、東海の表記を国際的に広めるために毎年開催されている。特に同セミナーは第13回世界地理学会議(International Geographical Congress)に先立ち特別分科会の形として開かれたことで、より意義深いものとなった。

北東アジア海洋平和ベルト国際学術会議(08.12.22~23)

財団と昌原大学京南学研究センターは、12月22日(月)と23日(火)の二日間にわたり、釜山のヌリマル(APEC Hause)会場にて「北東アジア平和ベルト国際学術会議」を開催した。

同会議は、昨今の東アジアにおける歴史認識問題などを未来志向の観点で解決するための議論の場を設けると共に、中長期的には韓日中3国の戦争の遺跡及び博物館を未来の北東アジアにおける平和の土台にする方策を探るために開催された。

さらに、同会議では、韓国の戦争遺跡、中国の抗日戦争及び南京大虐殺記念館長、日本の平和構築専門家、台湾の戦争遺跡関連の専門家など、およそ30名の専門家らが参加し、発表と討論を行った。

とりわけ、南京大虐殺記念館の朱成山館長は発表で、日本の右翼による南京大虐殺の否定と歪曲を強く非難するなど、中国人の学者の立場に立ち真剣に問題提起をした。

韓国ーベトナム関係史国際シンポジウム(08.8.19)

韓国歴史学会と共同で「韓国ーベトナム関係史国際シンポジウム」を開催した。同シンポジウムにはベトナムの学者8名と韓国の学者らが参加し、東南アジアー北東アジア関係におけるベトナム、日本植民地時代における韓国人のベトナムに対する認識、儒教思想によるベトナムと韓国の農村社会管理の比較、18世紀のベトナムにおける中国使臣と朝鮮使臣の交流について意見を交わした。

韓ー蒙国際シンポジウム(08.8.26~27)

韓国とモンゴルの歴史学者たちによる北東アジア歴史認識をテーマにした国際学術会議を財団の大会議室にて開催した。この会議ではモンゴルに対する中国学者の歴史記述、元朝と高麗の関係、徐浩修の燕行記に表れたモンゴルに関する記録の分析など、モンゴルと韓国学者の論文が発表された。また、モンゴルを含めた北東アジア共同体実現の可能性を見直す踏み込んだ議論が行われた。

歴史和解に向けた国際フォーラム(08.9.8~9)

韓国ユネスコ国内委員会と共同で「記憶の共有と多元的普遍性」をテーマに国際フォーラムを開催した。「東アジアにおける歴史和解」をキーワードとして2007年から開催されている同フォーラムは韓日中のみならず、アメリカ、ドイツなどの学者らが参加した。さらに、▲断絶した国家間の関係を越えた東アジアの歴史像は可能であろうか、▲未来に向けて歴史学が若い世代に教えるべきものは何か、▲新たな東アジア的アイデンティティーをどう探るべきかなどの問題に真剣かつ活発な議論が行われた。同フォーラムは、自国史中心の枠に閉ざされている歴史認識を乗り越えてこそ未来に向けた歴史ビジョンの提示が可能であるという認識を共にし、歴史問題の解決のためのビジョンと実践的対策を探る議論の場として位置づけられている。

2. 歴史NGO活動の支援

第2回歴史NGO世界大会(08.10.8~12)

07年に続き、歴史及び独島関連の市民・社会団体の間で国内外のネットワークを構築し、東アジアにおける歴史認識問題をグローバル課題に位置づけることで国際社会の参加を呼びかけるきっかけを作るべく、歴史及び独島関連の市民・社会団体と共同で「第2回歴史NGO世界大会」を開催した。オリンピックパークテルとオリンピック公園の一帯で進められたこの大会は、事前にアジェンダー開発会議及び海外コーディネーター会議を開くことで昨年より進んだ企画を作っており、計36のプログラムに世界24ヵ国から188名、国内から約5000名が参加し成功裏に行われた。この大会で行われた36のプログラムは、開幕シンポジウム、東アジア平和コンサートをはじめとする18のメイン及び付帯イベントと、18のテーマ別イベントがあった。また、このうち14のプログラムは一般公募で選ばれたもので、公募に申し込んだ団体がイベントを直接主催しその効果を最大に活かした。財団が、第3回大会でより良いプログラムを作るために第2回大会の参加者を対象にアンケート調査を実施した結果、第1回大会よりプログラム、進行、場所に対する満足度が高かった。特に踏み込んだ内容のシンポジウム、多様なワークショップなど集中と分散によるプログラムの配置が高い評価を受けた。また大会の白書を発行し国内外の参加者と第2回大会の成果を共有するなど、第3回大会をより実の多いイベントにするために引き続き力を入れている。

3.展示会の開催

国内外の広報資料の制作及び展示会の開催

高句麗、渤海、白頭山など韓中の歴史問題に対して、一般人や外国人が容易くアクセスでき、これらに対する理解度を高めてもらうために、広報資料を制作・配布・展示した。また、高句麗や渤海の遺跡の衛星写真に関する企画展を設け、ソウル大学と江原大学での展示を経て全国巡回展示を行う計画である。さらに、この企画展の内容を『空から見た高句麗と渤海』(’08)という名の図録集にして発行した。一般人が多く訪ねる中国の遺跡地に関する正確な情報を提供するため、探訪案内書『高句麗を探して』と簡単なリフレットを制作し、遺跡を訪ねる人々が現地で簡単に利用できるようにした。また白頭山を簡単に紹介した英文広報資料『BAEKDU MOUNTAIN』(’08)を制作・配布した。

高句麗古墳壁画の海外展示

高句麗文化の優秀性と韓国文化の源泉である高句麗文化の雄大な気性を国際社会に広く知らしめるために、駐大阪韓国文化院で高句麗特別展を開催した。08年11月、駐大阪韓国文化院の展示館で開かれた高句麗古墳壁画特別展は、韓国の優れた文化遺産である高句麗古墳壁画を展示することによって韓国の歴史と文化を日本に知らせるという趣旨で開かれた。日本現地では、眞坡里(ジンパリ)4号古墳壁画の写真など従来には展示されなかった写真が公開となり、一般の大衆だけでなく学者たちも高句麗について深く考える機会となったということで、群馬県歴史博物館での共同展示提案など他の地域からも大きな関心が寄せられた。

4.歴史講座

東アジア史教員研修

2012年に新設される高校選択科目である「東アジア史」を教える歴史教師の専門性を確保するために、8月4日~8日(第一・二期)と11日~13日(第三期)の三回にわたり、東アジア史教員研修を開いた。全国の歴史教師116名が参加した今回の研修は、現場の歴史教師から寄せられたニーズを基にしたもので、東アジア史に対する歴史教授の在り方を提示することで、東アジア史に対する理解度を高め、東アジア史における争点に対する客観的な歴史教育を促すことに重点を置いた。同研修は東アジア教育課程開発の概要、韓日中3国の歴史と東アジア史の関係、東アジア史をどう教えべきかなど大きく5つの講座で構成された。

東アジア史専門家ワークショップ

08年9月~11月まで計3回6部にかけ「東アジア史」教育課程の主要論点に対する専門家ワークショップを実施した。今回のワークショップは東アジア史教育を活性化すべく専門性の向上及び認識の基盤を作るため行われたもの。さらに、2012年から施行される「東アジア史」の第6課までの内容において各争点を分析することで、正しい東アジア史案内書の執筆方向性を提示し、東アジア史に対する正しい認識を広げ、専門家のネットワーク基盤を作る上で貢献した。

5.歴史問題広報

日本軍「慰安婦」ドキュメンタリー制作への支援

日本軍「慰安婦」問題を国際社会の問題に位置づけ、新しい映像資料の配布のニーズに応えるため、国連人権政策センターにおけるドキュメンタリーの制作を支援した。米下院において「慰安婦」決議案が成立するなど、「慰安婦」問題が世界人権レベルから提起されている中、関連映像の制作は大きな意味を持つ。この映像は08年2月に制作を完了し、米国・英国・フランス・中国・日本・アラブ諸国など国際社会に向けて日本軍「慰安婦」に関する事実を広く知らしめるとともに、「慰安婦」動員の強制性とその事実を否定また歪曲しようとする日本政府や右翼の論理に対応する資料として活用されると期待されている。特に、このドキュメンタリーは08年11月オーストラリアのシドニーで開かれたドキュメンタリー国際映画祭で「作品賞」に輝き、国際社会から注目を集めた。

歴史問題に対する動画制作及びDVDの配布

『歴史の葛藤を越え─平和と繁栄の北東アジア』というタイトルの動画を全国11000余りの小・中・高校、韓国学校、在外韓国教育院などに5本ずつ6万本を発送した。また、在外教育機関及び公館には韓国語版と使用言語版(日・英・中)を提供した。財団が『歴史の葛藤を越え─平和と繁栄の北東アジア』動画を学校に配布したのは、小学校の社会科及び中高等学校の歴史及び地理の授業に、視聴覚教材として活用することで独島問題を含む7つの歴史問題に対する学生の理解を助けるためである。07年12月に制作されたこの動画は、韓国語、日本語、英語、中国語の4つの言語版があり、▲独島▲東海の表記▲日本の歴史教科書問題▲靖国神社参拝問題▲日本軍「慰安婦」問題▲東北工程▲白頭山などといったテーマを収録している。特にこの動画は、韓日中3国の懸案となってきたこれらの問題を解決し、和解と協力の道を切り開くための望ましい方法について専門家のコメントと各種の資料を交えながら提示している。

常駐外信記者の独島ツアー(08.8.24~25)

韓国に常駐する外信記者団を対象に独島領有権に対する韓国の立場を正しく理解してもらうために独島ツアーを実施した。このツアーにはAP通信、ロイター通信など、在韓常駐外信18社から24名の記者が参加した。参加者には日本外務省の独島パンフレットに対する反論資料集『The Truth of Dokdo』などの資料が提供された。また、海上警察の独島警備艦艇で独島に対する説明会を開き、質疑応答時間などを通じ独島領有権を巡る歴史的背景と正当性を説明した。ツアーの後、AP通信、ロイター通信、International Herald Tribune、ニューヨークタイムズなどは独島発の関連記事を報道した。

外国人対象の「独島エッセイコンテスト」

独島関連の海外世論を喚起すべく、外国人対象の「独島エッセイコンテスト」を実施した。コリアタイムズと共同で主催した今回のコンテストは「独島はなぜ韓国の領土であるか?(Why is Dokdo Korean territory?)」をテーマに実施され、独島に対する海外の関心度が低い中で、外国人の見方から独島を考える新しい試みとなったと評価されている。特にアメリカ、カナダ、エジプトなど世界中の27ヵ国から702のエッセイが寄せられるなど熱い反応を得た。コンテスト審査の結果としては、アメリカ人のCheryl Devaney氏が書いた「Korea’s Decades of Defending Dokdo」が大賞を受賞した。財団は、この大会の受賞作5編と優秀作10編を集め、エッセイ集『Dokdo Viewed From the Foreigners’Eyes』を発行した。

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